ネトルは北アメリカやヨーロッパに多くみられ、ヨーロッパでは2000年以上も前から知られる歴史のある重要なハーブです。和名では「西洋イラクサ」といい、本州の関東以西から九州にかけて分布しています。
ネトルは人間が古くから植物療法に欠かせないハーブとして活用しているのはもちろん、牛や馬、アヒルといった家畜の飼料に配合されることもあり、動物たちの栄養補給や体のバランスを整えるサポートをしてくれるハーブとしても知られています。
このネトルを犬との暮らしに取り入れるにはどのような活用シーンがあるのでしょうか?今回は、ネトルの持つ機能性について紹介します。
この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・ネトルってどんなハーブ?
・ネトルを犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・ネトルの栄養特性や機能性は?
・犬にネトルをあげるときの注意点は?
・ネトルはどんなシーンで活用するのがおすすめ?
犬との暮らしに役立つネトルの栄養成分と機能性
ネトルには旬の葉物野菜のような栄養成分(ビタミン・ミネラル類)が豊富に含まれています。それに加えて、クロロフィル、フラボノイドなどの機能性成分を含んでいるのが特徴です。
ネトルに含まれる主な栄養成分
・ビタミン類(β-カロテン、ビタミンC、葉酸が豊富)
・ミネラル類(鉄、カルシウム、マグネシウムなど)
・クロロフィル
・フラボノイド
クロロフィルは葉緑素とも呼ばれる植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素です。クロロフィルには強力な抗酸化作用あるほか、有害物質が体内で吸収されることを抑えて速やかに体外への排出を促して細胞を活性化させる働きがあると言われています。
また、ネトルに含まれるケルセチン(クエルセチン・quercetin)というフラボノイドには、アレルギーを引き起こす物質であるヒスタミンの分泌を抑える効果があるとされています。
ケルセチンは、アレルギー症状を緩和するだけでなく、血流を改善する効果や炎症を緩和する効果もあるとされる機能性成分で、人間の食事であればタマネギなどにも多く含まれます。
タマネギはヒトにとっては言わずと知れた「サラサラ血」や「血管のしなやかさ」をサポートしてくれる素晴らしい食材ですが、犬たちにタマネギを与えることはできません。ですので、ネトルに含まれるケルセチンは貴重な存在と言えるかもしれません。
ネトルはこんな悩みやシーンにおすすめ
上述の通り、ネトルはまず、ビタミンやミネラルを補給したいシーンで活用できます。犬たちのごはんとして手作り食にチャレンジしてみるときビタミン・ミネラルのバランスが気になったら、栄養補助ハーブとしてネトルを加えてみるのもおすすめです。
また、ネトルのハーブ療法としての本質的な作用は、デトックスによって血液を浄化し、充血や炎症を緩和することとされています。このことから、アレルギー性の炎症で皮膚トラブルになっている子、アトピー性皮膚炎の子、痒みがある子、喘息の症状がある子、関節炎に悩んでいる子などにおすすめできるハーブと言えます。
特にネトルに含まれるケルセチン(クエルセチン・quercetin)には、アレルギー症状を緩和すると同時に、炎症を起こす原因物質の分泌を抑制する効果があると言われています。ケルセチンの抗ヒスタミン作用には即効性はありませんが、継続して摂取することで体質が改善できたという事例や、痒みが緩和されたという報告もありますので、アレルギー症状に悩んでいる子には一度試してみるとよいかもしれません。
犬との暮らしにネトルを活用できるシーン
・手作り食のビタミン・ミネラル補助として
・デトックスで体のバランスを整えたいとき
・アレルギー性疾患(皮膚の痒み・アトピーなど)に悩んでいるとき
・呼吸器系の炎症があるとき
・関節炎のトラブルがあるとき
ネトルの活用方法と注意ポイント
生のネトルの茎や葉の表面には、毛のような細かいトゲがあります。このトゲに触れたり刺さったりすると焼けるような痛みがあり、皮膚が赤く腫れてしまいます。この症状は、ネトル全体がハチの毒と同じ成分である「ギ酸」などを含んでいるために起きる症状ですが、乾燥や調理を行うと無毒化されます。
ハーブとして市販されているものを利用すれば問題ありませんが、生のネトルには安易に触れないよう注意が必要です。
触っただけで皮膚炎のようにかぶれてしまうネトルが、乾燥や調理の過程で逆に皮膚炎を緩和するアプローチを持つとは、植物って本当に不思議です!
犬との暮らしでネトルを活用する方法としては、ドライハーブを食事に加えることが一般的です。
また、ハーブティとして犬とヒトが一緒に楽しむ方法もあります。ハーブティーにすると緑茶に近いふんわりとした草の香りが立ち上りますので日本人には飲みやすいハーブティと言えるかもしえません。もちろん、単独使用だけでなく相性の良い他のデトックスハーブとブレンドして楽しむこともできます。
人間のつらい花粉症の症状緩和にもネトルのハーブティはおすすめです。犬たちにはアツアツをあげないで、冷ましたものをあげてくださいね。
まとめ
ハーブの本場、ヨーロッパのドイツでは春季療法として春先のアレルギーや肌荒れ予防にネトルティーが利用されているそうです。ヒトと犬たちが安心して一緒に楽しめるというのも嬉しいポイントですね。
ネトルは、体に必要なビタミンやミネラルなどの栄養素を豊富に含み、アレルギー症状の緩和や、血液を浄化する作用、利尿作用など様々な効果を持ち、体全体を健やかにしてくれるハーブですので、うちの子に気になるお悩みがあるぜひ活用してみてください。
ワークショップで選べるハーブの中では
・関節サポートハーブ(ドクターハービーズ オルゾフレックス)
・デトックスハーブ(ヒルトンハーブ ヘパフィト)
にブレンドされています。