ショウガ(生姜)は、古くから世界中で使用されてきた食材で、日本ではお寿司と一緒に食べるガリや、豚の生姜焼き、さまざまな料理の薬味として欠かせない存在です。西洋でも「ジンジャー」と呼ばれる人気のハーブです。
体を温めたり臭みを消したりするイメージのある生姜、犬との暮らしに取り入れる際にはどのような活用シーンがあるのでしょうか?生姜の持つ機能性について紹介します。
この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・生姜を犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・生姜の栄養特性や機能性は?
・犬に生姜をあげるときの注意点は?
・生姜はどんなシーンで活用するのがおすすめ?
犬にも嬉しい生姜の栄養成分と機能性
生姜の成分には犬に毒性のある成分はなく、犬が食べても大丈夫な食材です。もちろん、辛み成分がありますので、大量に与えるものではありませんし、この刺激や風味が苦手な子には無理に与えないほうが良い食材です。
ですが、辛み=毒性ではなく、独特の風味は気にしない子も多いため、市販のペットフードにも機能性食材として配合されているのを見かけます。上手に利用すると、犬の手作り食やおやつにも嬉しい栄養成分を取り入れることができます。
薬味の代表格である「ネギ」が犬にあげるとNGな食材として知られているため、同じように「薬味」として連想する生姜もNGという印象になっているケースがありますが、実際にはネギと生姜は異なる属性です
生姜は、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンという特徴的な成分を含んでおり、それぞれ機能性を持っています。
辛味成分のひとつ。抗菌・殺菌作用。
吐き気を抑える作用。痰を抑える作用。
辛味成分の「ジンゲロール」を加熱すると「ショウガオール」という香り成分に変化する。
血行促進、冷えの解消、鎮痛作用。
辛味成分のひとつ。抗菌・殺菌作用。
血行促進、抗酸化作用。
この他にも、唾液や胆汁、胃酸などの分泌を刺激して消化をサポートする作用や、けいれん症状の軽減、筋肉を柔らかくしリラックスさせる作用をもつ成分を含むとされています。
調理方法に注意 生姜の薬効は加熱で変化する
生姜の機能性成分のひとつである「ジンゲロール」は、加熱すると「ショウガオール」という成分に変化します。二つの成分には機能性の違いがあると言われています。このため、期待したいサポートに合わせて調理方法を選ぶと良いかもしれません。
(加熱しない)
(加熱する)
このように、どちらの成分にも「血行促進」の作用がありますが、生ショウガの場合は身体の表面を温めて熱を逃がし、加熱生姜の場合は胃腸を温めるという違いがあります。
生ショウガを取り入れたい時は、少量のすりおろしをそのままトッピングしたり、すりおろした搾り汁を調理後のスープに少し加えるなどの方法があります。
犬との暮らしに生姜を活用できるシーンとは?
上記のように、生姜の代表的な機能として血行促進作用があります。ですので、冬の寒い日や体を温めてあげたいとき、私たちが「生姜湯」や「ジンジャーティー」を飲みたいなと感じるようなシーンで、犬たちにも同じように生姜を取り入れてみることができます。
そのほかに、活用できるシーンとして覚えておきたいのが、吐き気や嘔吐に対する高い効果です。吐き気を直接抑える作用に加え、唾液や胆汁、胃酸などの分泌のバランスを整える作用を期待できるため、乗り物酔いや抗がん剤の副作用による吐き気など、犬たちが不快感で吐き気をもよおしているシーンで役立ってくれる場合があります。
吐き気を抑える効果は生ショウガに含まれる成分の方が強いので、乗り物に乗る前の食事に、少量のすりおろし生姜を混ぜて与えておいたり、少し生姜の搾り汁を加えたスープを飲ませておくなど工夫してみると良いかもしれません。
また、咳のトラブルに悩んでいる子にも生姜スープが良いサポートとなる場合があります。
一方、加熱した生姜には胃腸の働きに役立つ作用や、痛みや緊張を和らげる作用があるとされています。お腹の調子が整いにくい子や、痛みを伴う消化器トラブル、関節炎などがある子におすすめです。
犬との暮らしに生姜を活用できるシーン
・体を温めてあげたいとき(生or加熱)
・乗り物酔いなどの吐き気を軽減してあげたいとき(生)
・咳などの呼吸器トラブルを軽減してあげたいとき(生)
・痛みを和らげてあげたいとき(加熱)
・リラックスしてもらいたいとき(加熱)
ワークショップで選べる免疫力をサポートするハーブブレンドの中では「ジンジャー」として配合されています
このように、生姜は体を温める以外にもさまざまな活用シーンがあり、幅広く使える食材です。与える際はごく少量からお試しし、辛味成分や刺激を嫌がらないかどうか、よく観察してみてくださいね。