犬のごはん 馬肉はツヤツヤの毛並みや関節トラブルをサポートしてくれる食材

馬肉は、スーパーで人間用として並んでいるのはあまり見かけないものの、犬たちのごはんのタンパク質源としてはわりとポピュラーな食材になっています。ドッグフードの原材料としてメインのタンパク質で使われていることもありますし、ホースアキレスや馬肉ジャーキーなど、おやつのラインナップも定番化しています。

馬肉のソフトジャーキー

なんとなく栄養価が高くて美味しそう、あげると犬が喜ぶ、というイメージがある馬肉、具体的にはどのような特徴があるのか、今回は馬肉(赤身)について掘り下げてみます。

この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・馬肉を犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・馬肉の栄養価や機能性は?
・犬に馬肉をあげるときの注意点は?
・馬肉はどんな犬におすすめ?

目次

馬肉の栄養成分と機能性

馬肉は、高たんぱく質、低カロリー、低コレステロール、低脂肪。犬たちが必要な必須アミノ酸もしっかり含まれているとてもヘルシーなお肉です。

さらに、馬肉には鉄やカルシウム、亜鉛などのミネラル類とビタミン類などが豊富に含まれることがポイントです。

鉄は必須ミネラルの一つで赤血球を構成する成分となり、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ重要な役割を果たしています。また、亜鉛は、たんぱく質や核酸の代謝に関与しているミネラルです。

犬たちは人に比べると亜鉛の要求量が高く、亜鉛が不足すると、皮膚や粘膜、被毛の健康に影響が出てくると言われます。ですので、亜鉛を多く含む馬肉は、皮膚トラブルに悩んでいる子や、ツヤツヤの毛並みを目指したい子におすすめの食材です。

ツヤツヤの毛並みには亜鉛が不可欠

亜鉛を多く含む食材は、馬肉のほかに牛肉や牡蠣などがあります

そのほか、筋肉の収縮エネルギーとなるグリコーゲンや、目の健康や免疫力をサポートすると言われるビタミンAなども豊富に含んでいます。

馬肉はヘルシーなタンパク質源+微量要素の補給という特徴をもっているので、犬たちのごはんに活用しやすいお肉なのです。

馬肉の栄養特性

・高タンパク質
・低カロリー
・低コレステロール
・鉄・カルシウム・亜鉛などのミネラルが豊富
・ビタミンAやビタミンEを含む

詳しい栄養成分は、文部科学省「食品成分データベース」で確認できます

馬肉はアレルギー対応やフードローテーションにもおすすめ

アレルギー反応とは、特定の食べ物に含まれる「アレルゲン」に体の免疫機能が過剰に働いてしまい、お腹が緩くなる、皮膚に炎症が起きる(赤くなる・発疹が出る)などの症状が出る反応です。

アレルギー反応は、ほとんどの場合タンパク質が引き金(アレルゲン)となって起こります。症状が出るメカニズムは複雑ですが、原因のひとつとして、同じタンパク質を摂り過ぎた場合に、そのタンパク質が異物認定されてしまいアレルギー反応を引き起こすという考え方があります。

たとえば、生まれてからずっとチキンをメインに食べ続けると、ある一定のところで体がチキンを異物扱いしてしまい、免疫が暴走して皮膚症状や下痢が起きるようになる、というような場合です。

犬や猫の場合、食物アレルギーで人のアナフィラキシーショックのように重篤な症状が出ることはほとんどないと言われています。しかし、ずっと皮膚を痒がる、耳や足の裏がいつも赤い、お腹を壊しやすい、などの症状が続く場合が多く、QOL(暮らしの質)に影響します。

こうした場合、原因となる食材を避けることができれば、皮膚症状や消化器症状は改善していきます。

もし、うちの子が何かのお肉のアレルギーになってしまったら、そのお肉とは違う種類の肉や魚を選んであげなくてはなりません。ほとんどの子は「馬肉の食べ過ぎ」という人生(犬生?)を歩んでいないと考えられるため、馬肉を主食に選択するとアレルギー反応が落ち着くことがあります。

また、アレルギー症状を起こさないために、いくつかの種類の肉や魚でタンパク質の栄養源をローテーションしておくことも有効です。このようなローテーションの食材としても馬肉は良い選択肢になります。

薬膳では、体を冷やし筋肉や関節の腫れを緩和する食材

薬膳の考え方でも、馬肉の栄養特徴は高く評価されています。体液を潤し血の巡りを良くする五味「甘・酸」の両方を持つことから、疲労回復や滋養強壮、虚弱体質などにアプローチしたいときに頼りになる食材です。

また、馬肉はお肉の中では珍しく「寒涼性」の性質があります。体の熱を冷まし、筋肉や関節の腫れを緩和すると言われていることから、慢性的な関節炎のトラブルに悩んでいる子や、運動量の多い子などにもおすすめの食材と言えます。

馬肉をあげるときに注意したいこと

馬は体温が40度近くあることや、牛のように反芻(胃の中身を口に戻して咀嚼し、発酵消化すること)することがないため、牛肉や豚肉に比べると生肉の寄生虫が少ないと言われています。そのため、人も馬刺しのように生のお肉を楽しむことができます。この特徴は犬にも当てはまり、同様に生の馬肉を食べることができます。

生肉にチャレンジしたい場合は、生食用として市販されている信頼できるお肉を新鮮な状態で与えるようにしましょう。もともとの寄生虫や細菌が少ない馬肉も時間がたてば当然痛みますので、注意が必要です。

もちろん、加熱しても美味しさや栄養はちゃんとキープできます。焦がさないように加熱してあげるとお腹に優しく消化しやすくなりますのでシニア犬や子犬には加熱してあげるほうが安心かもしれません。

また、人用の場合は「タテガミ」や「フタエゴ」など脂身が多い部位も人気ですが、タンパク質源として犬たちにあげるときは赤身メインの部位を選ぶのがおすすめです。

犬のごはん用に赤身だけセレクトしたものや、内臓や軟骨をブレンドして市販されている馬肉があります!

まとめ

栄養成分のことはさておき、「うちの子は馬肉の風味や味が好き!」というお話しを良く耳にします。また、「馬肉を食べるようになって毛並みが良くなった!」というお声や、「食欲が無くなってしまうようなシーンでも馬肉なら食べる」というエピソードを伺うことも珍しくありません。

犬たちは自然と、馬肉の持つ滋養強壮のパワーや熱や腫れを緩和する作用に気づいているのかもしれません。

馬肉 ドッグフード

見た目の赤色も鮮やかな馬肉は、あげるほうも食べる方もテンションがあがります。犬たちのご馳走に活用してみてください。

馬肉のおすすめ活用シーン

・アレルギー対策やアレルギー予防に
・フードローテーションの選択肢に
・亜鉛やビタミンAが豊富→健やかな皮膚とツヤツヤの毛並みを目指したい子に
・薬膳では「寒涼性」→筋肉や関節の腫れをケアしたいときに

ワークショップでもベースのお肉として選べます!

馬肉 ドッグフード

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