りんごは犬たちと人が一緒に美味しく食べられるフルーツの代表格です。うちの子はリンゴが大好物、犬がリンゴを食べるときのシャクシャク音が可愛すぎる!というお声も良く聞きます。
りんごは、生でいただく以外にも、乾燥させたリンゴチップスとして犬のおやつコーナーでみかけることがありますし、ペットフードの原材料として使われていることも多い食材です。
体によさそうなイメージがあると思いますが、具体的にどのような栄養成分を持っていて、どのような犬におすすめなのか、薬膳の観点からも掘り下げてみます。
この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・りんごを犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・りんごの栄養価や機能性は?
・犬にりんごをあげるときの注意点は?
・りんごはどんな犬におすすめ?
・りんごの良さを引き出す調理法は?
犬にも嬉しいりんごの栄養成分と機能性
りんごに含まれる栄養成分のうち、特に特徴的なものはこのようなものです。
・ペクチン(水溶性の食物繊維)
・リンゴ酸とクエン酸
・ポリフェノール
ペクチンは、水に溶けるとゼリー状になる水溶性の食物繊維で、りんごの皮と実の間に多く含まれています。ペクチンは、腸内で善玉菌の餌になり、悪玉菌を減らしてくれる役割をもっています。腸内に溜まった不要な物を体外に排出する働きもありるため、お腹の調子を整え、免疫力をサポートする作用が期待できます。
リンゴ酸とクエン酸は、りんごの甘酸っぱさのもとになる成分です。リンゴ酸とクエン酸は体内の代謝を促し、疲労物質である乳酸を分解する作用を持っています。また、犬の尿に含まれるカルシウムと結合して排泄する働きがあることが分かっており、シュウ酸カルシウム尿結石を予防する成分としても注目されています。
りんごには、優れた抗酸化作用を持つたくさんのポリフェノールが含まれているため、血流の改善やアレルギー抑制、アンチエイジング、がん細胞の生成を抑える効果などが期待されています。ただ、このポリフェノールは空気に弱い性質があります。りんごを切って放置しておくと色が茶色く変色するのは、リンゴポリフェノールが空気に触れ、酸素と結合して起こる褐変によるものです。
りんごを薬膳の観点からみると?
薬膳の観点からみたりんごの食性は「平性」で、身体を温めたり冷ましたりするものではありません。そのぶん、暑がりの子でも寒がりの子でも気にせず食べられる食材です。
また、りんごの食味は酸と甘。漢方や薬膳には「酸甘化陰(さんかんかいん)という考え方があり、「自然の酸味と甘味を合わせて摂れば陰(体液)になって体を潤す」という意味です。「酸と甘」には、例えばレモンとはちみつ、梅干しとごはん、というような組み合わせがありますが、りんごはひとつの食材での両方を併せ持つ食材です。体を潤して、血の巡りを良くしたり、粘膜を保護したりする働きを期待できそうですね。
犬にりんごをあげるときの注意点や調理方法は?
りんごの実に犬の体に有害な成分は含まれていませんが、種や芯には、ごく微かに「アミグダリン」という有毒な成分が含まれています。犬にあげる際には、必ず種や芯を取り除いた状態で与えましょう。
また、どんなに体に良いものでも「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。食べ過ぎると糖分過多となり肥満や糖尿病の原因になってしまう可能性がありますので注意が必要です。
栄養的な注意点としては、りんごの機能性成分であるペクチンやポリフェノールが皮や皮に近い部分に多く含まれるため、できれば皮ごと活用したいものです。ただ、リンゴの皮は残留農薬が問題になることもあります。皮ごと与える場合はしっかり洗ってあげてください。
また、せっかく栄養価値の高い皮部分ですが、生のまま与えると犬によっては繊維質が強く吐き戻したり、そのままウンチに出てきてしまうことがあります。ペクチンやポリフェノールの効果を存分に活用したいなら、すりおろしリンゴにしたり、加熱してあげてみるのもおすすめです。りんごは加熱すると消化しやすく、栄養価が上がるとも言われています。手作りごはんに使うときは、他の材料と一緒に圧力鍋で煮込んでしまっても良いでしょう。
リンゴポリフェノールは熱に強いと言われていますので、加熱しても大丈夫です
もちろん、ほとんどの子は、カットしただけのりんごを食べても吐き戻したりすることはありません。犬たちと一緒にフレッシュなりんごをシャクシャク食べるのも楽しいですね!楽しい気持ちが伝わると犬たちはもっと元気になってくれます。
・種と芯は必ず取り除く
・できれば皮ごと、しっかり洗ってあげる
・より消化を高めたいなら、すりおろしリンゴや加熱調理が有効
・一緒に食べれる幸せも大事
まとめ りんごはどんな犬におすすめ?
りんごには、整腸作用や抗酸化作用のある機能性成分が多く含まれています。腸内環境を整えることは、体調全般を整えることにつながりますので、基本的にはどんな犬にもおすすめできる食材です。
特にあげるとすれば
・下痢や軟便、便秘ぎみなどお腹トラブルに悩んでいる子
・運動量の多い子や運動後の疲労回復
・腸内環境を整えて免疫力をUPしたい子
・健康な血の流れをサポートしたい子
(コレステロール値、ドロドロ血、血管系のトラブルに悩んでいる子)
・シュウ酸カルシウム尿石を予防したい子
・お口が渇きやすい子
このような体調のお悩みがある子におすすめです。
また、甘酸っぱい味や楽しい食感には、疲れを癒やして心をほぐし、緊張をやわらげる働きもあると言われます。トレーニングの後のおやつやお留守番の前にあげるおやつとしても活用シーンがありそうですね。